怒れる新人社員
随分前のことになるが、お客さん(印刷業者さんの入社したての女性社員)が
会社に突然来られた。
かなり怒っておられる様子だ。
数日前に納品した原稿に朱書きをして来られたようだ。
間違いだらけだということで、赤で訂正がされている原稿を見せられた。
取扱説明書の仕様のページで、製品の寸法や性能がいっぱい記載されているページで、
皆さんもよくご存じのページだ。
原稿をよく見ると、真面目な新人社員らしくびっしり朱書きされている。
翻訳では、数字まで細かくチェックする必要があるので当然のことである。
小数点がすべて訂正されている。小数点がコンマになっているから、点に訂正せよとの事である。
「フランス語や他のヨーロッパ言語では、小数点はコンマですよ。」と彼女に教えた。
その女性は、びっくりした様子で、表情がかわり一転ガクーンと落ち込んでしまった。
無理もない、大学を出たばかりの社員では、数字はインターナショナルと思っておられるだろうし、
それに付随する記号などもインターナショナルで同じだろうと思い、「怒りながら朱書き」されたのであろう。
この際、そのように考えておられる方は注意していただきたい。
国によって引用符も違えば、スペースの打ち方も違う。アルファベットの書き方も変われば、勿論、キーボード配列も言語によっても違うし、国によっても違う。
詳しいことは、また別の機会にするとして、くれぐれもお気をつけあれ。
翻訳会社ジェスコ
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